『もしマンガ・アニメ規制問題が都知事を生徒会長にした学園モノだったら』 第一話。

お待たせしました。『もしマンガ・アニメ規制問題が都知事を生徒会長にした学園モノだったら』、本編の始まりです!

■プロローグ
http://hibikiyu.blog113.fc2.com/blog-entry-395.html

↑未読の方はどうぞ、プロローグからご覧ください。
注意書きなども、そちら参照ということでーm(_ _)m



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『もしマンガ・アニメ規制問題が都知事を生徒会長にした学園モノだったら』

■第一話

 翌年、3月上旬。トウキョウ学園での合格発表日。正面玄関脇の掲示板に、受験生たちが朝から詰めかけている。
 そこに遅れて到着するのは、一台の二人乗りのアメリカンバイク。そのバイクを校門前で、女教師の【フジモト】が慌てて止める。

【フジモト】「あ、ダメダメ! 父兄の方でも、バイクは裏門の駐輪場まで回ってくれないと!」

●【フジモト】:トウキョウ学園国語教師、女性。才女タイプ。実は「マンガ研究会」顧問。

 ところがバイクは堂々とその場に停車。運転する革ジャン姿の【ジュンイチ】が、軽く「よっ」と挨拶。つけていたゴーグルをハーフメットに押し上げて、顔を見せる。

【ジュンイチ】「堅いこと言いっこなしだって、【フジモト】センセ! かわいい妹のためなんだ。これくらいお目こぼししてちょーだいよ?」

●【ジュンイチ】:トウキョウ学園卒業生、男。「ヒーロー」を愛する熱いクリエイター。

【フジモト】「って、【ジュンイチ】くん? 久しぶりねー! 元気だったの?」
【ジュンイチ】「ま、ぼちぼちってとこですかねー。センセこそ、相変わらずお元気そうで」
【フジモト】「? でも妹って……あら?」
【ヒビキ】「も、もー! お兄ちゃんったらあっ。だから、裏門でいいって言ったのに!」

 バイクの後ろから、中学のセーラー服を着た【ヒビキ】が降りる。兄の【ジュンイチ】に、借りていた予備のハーフメットを返却する。

●【ヒビキ】:トウキョウ学園を受験した少女。明るいオタク妹キャラ。

【ヒビキ】「恥ずかしいなあ、もうっ。……あ、先生、どうもです。は、初めまして」
【フジモト】「あら、こんにちは。妹さん、って【ジュンイチ】くんの?」
【ヒビキ】「そ、そうです。【ヒビキ】です。兄が、お世話になったみたいで」
【フジモト】「あー、なるほど。じゃあ今年、うちを受験したのね?」
【ジュンイチ】「……ま。今度から妹が世話になるかどうかは、まだわっかんねえですけどね」

 苦笑した【ジュンイチ】、ぽんと【ヒビキ】の背中を押す。

【ジュンイチ】「ほら行ってこいって。お前さん、ちゃんと受験表持ってるよな?」
【ヒビキ】「う、うん。そんなの忘れるわけないじゃん。ちゃんとあるよ」
【ジュンイチ】「じゃあ俺がくれてやったお守りは?」
【ヒビキ】「あれは……だってお兄ちゃんの、昔受験したときのでしょ?」
【ジュンイチ】「そ。俺がトウキョウ学園受かったヤツだから、そりゃあ御利益あるっての」
【ヒビキ】「――お兄ちゃんのバカがうつると困るもん。置いてきちゃった」
【ジュンイチ】「お、おまっ! 俺がせっかく、わざわざ引き出しの奥から発掘したってのに?」
【ヒビキ】「べー。まあ、見てくるね。……大丈夫、あたしお兄ちゃんより勉強できるから。あははっ」

 明るく笑い飛ばした【ヒビキ】、セーラー服の上に羽織ったコートから受験票を取り出し、兄のもとを離れる。やれやれ、といった顔の【ジュンイチ】。
 ただし受験票と一緒に【ヒビキ】、こっそり古ぼけた「合格祈願」のお守りを出している。大事そうに握りしめ、人混みの中の掲示板前へ。

【ヒビキ】(……受かってる。きっと、大丈夫。やれるだけのことはやったし)
【ヒビキ】(あたし、この学校に通うんだ。お兄ちゃんと一緒の、トウキョウ学園に……!)
【ヒビキ】(番号は……ええとっ)

 平静を装いながらも、【ヒビキ】どきどきする。掲示板で自分の受験番号を捜す。
 やがて、発見。

【ヒビキ】「! あっ――」

 何度も確かめる【ヒビキ】。間違いがないことを確認し、満面の笑みに。すぐに人混みの中から抜け出す。校門側にいる、バイクに跨ったままの兄に向かって大きく手を振る。

【ヒビキ】「番号あったー! 合格したー!! やったよ、お兄ちゃーん!!」

 両手で大きな○までつくる【ヒビキ】。兄の【ジュンイチ】が、わかったとばかりに軽く手を振り返してくる。が、ふと【ヒビキ】冷静になる。
 大声を上げた【ヒビキ】に、周囲の視線が集まっていた。さすがに恥ずかしく思い、赤くなる。兄のもとへと駆け出そうとした足が、自然と止まった。
 また、兄に振っていた手の中に、例のお守りがあった。それに気付き、慌ててポケットに隠す。
 そんな【ヒビキ】に声をかけてくる、同じ中学のセーラー服を着た少女が一人。

【音無】「あの……。もしかして、【ヒビキ】ちゃん?」

●【音無】:トウキョウ学園を受験した少女。見た目はおとなしい、黒髪三つ編み娘。

【ヒビキ】「! あれっ、確か……【音無】さん? 隣のクラスだった?」
【音無】「はっ。ごめんなさいごめんなさい! いきなりちゃん付けで呼んだりして! 同じクラスになったこともなかったのに、勝手にっ。でも周りからはそう呼ばれてたし、それでつい……」
【ヒビキ】「ふえっ? ……あ、あー。うん、別に呼ばれ方はどうでもいいけど? でも、その。【音無】さんって、けっこうしゃべるタイプだったんだね? あは、は」
【音無】「ご、ごめんなさい! 名前は【音無】なのに、ちっともおとなしくなくてっ」
【ヒビキ】「もー、謝らなくてもいいってばあ。それより――【音無】さんも、ここ受験してたんだ?」
【音無】「はい……。【ヒビキ】ちゃんも、合格したみたいですね?」
【ヒビキ】「も? も、ってことは。じゃあ――」
【音無】「番号、ありました。わたしも」

 はにかむ【音無】。きゃあ! と【ヒビキ】、思わず彼女と抱きついてはしゃぐ。
 二人、合格した喜びをしばし噛み締めて。

【ヒビキ】「じゃあまた、同じ学校だね! よろしくね!」
【音無】「は、はい。わたし、嬉しいです。……【ヒビキ】ちゃんと、お近づきになれて」
【ヒビキ】「あたしと? そう?」
【音無】「だって……あの。【ヒビキ】ちゃんって、すごく明るくて――わたしなんかとは、まるで違うタイプですから。ご、ごめんなさいっ」
【ヒビキ】「? そんな、【音無】さんなんか、むしろ女の子っぽくてあたしよりぜんぜんいいよー。あたしの方こそ、【音無】さんと友達になれてよかった!」
【音無】「えっ! そ、そんな、もったいないです。……親友だなんてっ」
【ヒビキ】「う、うん? そこまであたし、言ってな」
【音無】「でも、ずっとお知り合いになりたかったんです、わたし。だって、そのう」

 もじもじとする【音無】、ちょっと周囲を気にしながら【ヒビキ】に囁く。

【音無】「わ、わたしも……オタク、ですから」
【ヒビキ】「へ? あー、そうなんだ?」
【音無】「ひ、【ヒビキ】ちゃんみたいにオープンにしたことないですけど。でも、あの。『ジャンプ』は毎週買ってますし、カップリング談義だっていろいろできます! いえ、もちろん受けとか攻めとかネコとかタチとか、そんなのナシでもOKですが!」
【ヒビキ】「ちょっ、濃いよ? いきなり濃いってば【音無】さん?」
【音無】「はっ。ごめんなさいごめんなさい! わたし、つい夢中になって! だって……高校に受かったら、中学のときと違って、リア充オタク生活しようと心に決めてたものですから!」
【ヒビキ】「ふえー。……リア充の使い方が間違ってる気はするけど、うん、いいんじゃない?」

 目をきらきらさせる【音無】に、【ヒビキ】は感心。
 と、あることを【ヒビキ】思いつく。

【ヒビキ】「あ。だったら――ねえ。せっかくだからこのまま、学校の中見ていかない?」
【音無】「えっ。今からですか? 【ヒビキ】ちゃんと、一緒に?」
【ヒビキ】「校舎内には入れないだろうけど、見て回るぶんには怒られないだろうし。なんたってほら、あたしたちは今日からこの学校の生徒なわけだし? あはは」
【音無】「【ヒビキ】ちゃんと一緒……一緒……」
【ヒビキ】「? お、【音無】さん?」
【音無】「も、もちろんご一緒します! たとえ地獄の果てであってもー!」
【ヒビキ】「ちょっ、ないから。ここ地獄じゃなくて、学校だから」

 苦笑する【ヒビキ】、そういえばと振り返る。校門側にいる兄に向かい、叫ぶ。

【ヒビキ】「ごめーん、お兄ちゃん! あたしこれから友達と、ちょっと学校見学してくるー! 帰りは勝手に帰るからー!」
【ジュンイチ】「――ええ? あー、まあ、いいけど?」

 バイクに跨ったまま【フジモト】と雑談して待っていた【ジュンイチ】、肩すかし。
 そんな兄など気にもせず、【ヒビキ】は【音無】と消えていく。その様子を見て【ジュンイチ】、軽く笑う。

【ジュンイチ】「さっそく華の高校生活のスタート、ってとこかね? ま、楽しめばいいさ」

 だが隣にいた【フジモト】、神妙な顔つき。

【フジモト】「ねえ、【ジュンイチ】くん。妹さんって、やっぱり……キミと同じ?」
【ジュンイチ】「? ああ、オタク趣味ってことですかい? そりゃもう。だって俺の妹ですぜ? それでわざわざ、校風のゆるいこのトウキョウ学園に決めたくらいだし」
【フジモト】「そう……」

 おかしそうににやにやする【ジュンイチ】とは違い、【フジモト】は渋い表情のまま。

【フジモト】「だとすると……。がっかりさせるかもしれないわね」
【ジュンイチ】「ん? そいつは、いったい?」
【フジモト】「……。実はね、【ジュンイチ】くん――」

 きょとんとする【ジュンイチ】に、【フジモト】がある内容を話し出す。
 すべてを聞いて、びっくりする【ジュンイチ】。

【ジュンイチ】「――『青少年保護育成』校則? マジですかい!?」

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■今回のポイント
・この物語は【ヒビキ】が主人公。
・【音無】にモデルなし。一般的オタクの代弁者キャラとして、後に機能予定。
・規制は水面下で、かつ異様な早さで行われようとしていた。




と、いうことで。
すみません。今回は、メインキャラの顔見せが中心になってしまいました。

……どうしても、いちいちキャラ立ちを気にしてしまうのは、職業病だと思ってください(・・;)

まあ楽しんでいただけなければ話になりませんし、またそうでないと、私自身も保ちませんので……!
なんとか、二週間に一回のペースを続けていければいいのですがー。


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